本当に地銀は安定なのか?(時事ネタ)
こんにちは!
本日扱うのは‥「地銀」の話!
私の周りでも地銀トップである千葉銀行、横浜銀行をはじめ、静岡銀行など就活生に根強い人気がある地銀ですが、
就職する理由としては、頭取のほとんどが東大・京大出身に占められるメガバンクと違い、私立大学でも出世の道が拓けていることですね!(笑)
やはり金融機関として、年収は高く、メガバンクよりホワイトで、出世も見込める!
いいことづくめ‥と思ったそこのあなた!
それ相応のリスクがあることは覚悟してください。
ということで、今回は地銀の将来性を紐解いていきたいと思います。
目次
(「地銀が生き残るためには?」の小見出しに、変なのが出ています…
消し方を知っている方がいましたら教えてください…)
地銀の現状(新聞記事)
今回取り上げるのはこの2つの記事!
(日経を購読していない就活生は、いますぐ登録しましょう(笑))
(基本、新聞を読まなくても内定はもらえると豪語する人もいます。しかし、それは「運良く」新聞について聞かれなかっただけで、本気で受かりたいなら最低限読んでおくべきです。内定者とは往々にして、武勇伝を語りたがるものなので、全て真に受けちゃいけません(笑))
お読みいただけましたかね?
この記事についてざっくり言うと、
1本目が「マイナス金利で利ざやを稼げなくなって合併するしかない」、
2本目は「そんな危機的状況に金融庁が追い打ちをかけて来た」って話。
(天下の金融庁、さすが鬼畜の所業ですね…(笑))
さて、次は上記2本の記事の原因を詳細にみていきたいと思います。
なぜ地銀が苦しいのか?
マイナス金利とは?
まずはマイナス金利について簡単な説明。
金融機関は融資量に応じて、
日本銀行に対し「日銀当座預金」という名前でお金を預けなくてはいけません。
そして、かつては指定金額を超えて預けている分に対しては「利息」がついており、
銀行は企業へ貸し出して経済を回さなくても、日銀に預けていれば儲かるのが現状でした。
日銀に預けているだけでは資産がどんどん減っていく一方。
そのため、利益を出すために企業へ貸し出しが増え、経済が活性化していくだろう…
と見られていました。
(マイナス金利…って言葉だけが独り歩きしている感がありますが、
厳密には「日銀当座預金」の一部に適用されている金利がマイナスになった
ということですね)
マイナス金利の影響とは?
パッと見、理にかなったようなマイナス金利。
ではなぜ、これが問題になっているのか。
それは、
全体的に金利が低下し、
企業への貸し出しですら儲けられない!
という現状。
一般的には、短期金利の指標は「無担保コールレート翌日物」、長期金利の指標は「新発10年国債」の金利となっています。
しかし、マイナス金利の影響でまずは金融機関が安全性が高い「日本国債」を買い求め、国債にかかる金利が低下。
そしてそこから派生して、融資などを含むあらゆる金利が全体的に低下しているのが現状であります。
地銀が生き残るためには?
結果、銀行はマイナス金利の影響で
従来の「日銀当座預金」による運用(?)ができなくなってしまいました。
そのため、残る選択肢は以下の3つ。
①:リスクの高い「有価証券」の運用益で稼ぐか、
②:貸出金利の低い「企業への融資」に走るか、
③:低金利競争を避けるための「合併」か、のいずれかの選択を迫られたわけです。
1本目の記事ではまさに③の選択をしたわけで、
人口減が進む新潟で「第四銀行(新潟県一位)」と「北越銀行(同県二位)」が合併することで、マイナス金利下の低金利融資競争に歯止めをかけようというわけなんですね~!
2本目の記事では、実際に「金融庁が①の選択肢を潰し、②③への推進を図った」というわけです。
では、どのような規制をしたかというと、
保有する国債や外債の金利変動リスク(総合2面きょうのことば)を厳しく見積もり、損失を吸収できる自己資本の20%以内に収めさせる。債券による運用への依存度を下げ、地元の融資企業の開拓やベンチャー企業の育成といった事業に注力するよう促す。
(2017/6/8付 日本経済新聞 朝刊
と、記載されています。
つまり、①のようなリスクのある金融商品に手を出すことを規制して、
地元の経済活性化やベンチャー支援をしろ!ということですね。
(地方にはそんなにベンチャーがいるとは思えませんが…)
それはつまり、
薄利である企業への貸し出しを増やして自滅するか、
競合他行との経営統合により現状を打開するかのどちらかしかないわけです!
まあ、実質②のような自滅行為は避けるはずですので、
これからの地銀は合併による再編が起こるといえるでしょう。
将来、地銀に入行される方は多少なりとも
「合併リスク」
というものを考えておいたほうがいいかもしれません。
いかがでしたでしょうか!
本日は「地銀の将来性」ということで取り上げましたが、
最初に書かせていただいた通り「地銀」に就職することにはメリットも大いにあると思います。
しかし、相応にリスクもあるので、ぜひ一読したあと考えてから、悔いのない就職活動を送っていただけたら幸いです。
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